photo by S.Nozaki
幸せを運んでくれる八本足。内子がこれまたお酒にぴったり
~福井の新しい親戚と時を忘れる会食~
福井で蟹をこれ以上ないくらい満喫してきた。長男のパートナーのご両親(福井市在住の)にお誘いを受け妻と共にお邪魔した。新しい親戚との会食が蟹三昧なんて幸せこの上ない。本当に有難いことだ。感謝!
これまでの福井の思い出は、仲間が大学に入り自分だけ浪人している時に訪れた東尋坊、地方回りを担当していた時に駅と取引先を往復して仕事に打ち込んでいたが上手くいかなかった一年間、その時に食べていた胃に沁みるおろし蕎麦、疲労困憊して中国駐在から帰国した直後倅たちとの小旅行、等ちょっと気持ちがブルー気味なものばかりだった。しかし、長男のパートナーとご両親と昨年のゴールデンウィークに地元でご一緒してから、自分の中の福井がキラキラするものに変わりつつある。
倅たちの婚約が決まり2022年5月7日、11年ぶりに福井を訪れた。駅に降り立つと改めて整備された施設と駅前の賑やかさに驚いた。30年以上前、地方回りしていたあの頃のイメージは全く残っていない。明るい。そして、婚約中の二人と先方ご両親と6人での会食は時間を忘れる楽しさだった。ご両親が校長先生と教頭先生と言うコンビだったので、元悪童だった私は当時を思い出し職員室に呼び出されたような(?)気分で臨んだが、お二人とはとてもケミストリーが合って、かつお酒がかなり行ける方たちだったので初顔合わせとしてはとても話が弾み和やかだった。その翌日は、かねてから関心を寄せていた「一乗谷」を訪れ、織田信長を追い詰めながらも結果、彼に滅ぼされた朝倉義景への興味がふつふつと湧いてきた。その日のお昼に食べたおろし蕎麦はあの時と変わらぬ懐かしい味だった。蕎麦と言えばいつも越前おろしそばを真っ先に思い浮べていたが、昭和天皇も蕎麦の話になると「あの福井で食べた蕎麦は・・・」といつも懐かしそうにお話されていたことをその時初めて知った。この福井訪問は、心に重しが残るような思い出から、訪れるのがワクドキする転換点だったかな。
<発掘された一乗谷遺跡>
・朝倉義景が織田信長に追い詰められた場所でもある
斯様に私の中でモデルチェンジした福井への次の訪問時期は蟹のシーズンにと思っていた矢先、先方のお父様から「蟹でも食べに来ませんか」とのお誘いを受けた。こういうタイミングのことを、以前勤めていた会社では「ジャスト・イン・タイム」と言ってたなぁ。早速日程を決め、その日までは蟹かまぼこも含めて蟹関係は控えて(笑)、2023年12月9日妻と共に「特急しらさぎ」で福井へ向かった。待ち合わせたお店は片町の「間海」。目立たない場所にあるが、こういう処こそ最高のものを出すことは何となく経験で分かる。そして、地元の新しい親戚が誘ってくれたお店でもある。
<絶品の蟹を出してくれた「間海」>
・片町の裏道にある魔界かと思うような店構え
「最高」であった。蟹三昧のみならず、地元根菜類、地物刺身、そして地酒。あっという間に4時間が経っていた。
<セイコガニ 越前ガニの雌>
・ツブツブの外子と身が堪らない!さりげない三国港のラベルがみえるかな?
<さすが福井のお刺身>
・福井は蟹だけじゃないよ
<これが本当の蟹飯なのだ>
・妻は食べきれずに私が二人前完食
北陸三県では金沢・富山に比べるとやや控えめな印象がある福井ではあるが、来年の3月16日には敦賀まで北陸新幹線が延伸するのを機に、東尋坊や永平寺以外の隠れた面を見せてくれると期待している。その一つが朝倉家の城下町であった一乗谷遺跡。あの織田信長を追い詰めた朝倉義景にもっとスポットが当たっても良いように思うのだが。ちなみに、岐阜県恵那市には同じく織田に滅ぼされた山城(城主は織田の叔母だった)がある。この二つの史跡にはどんな史実が隠れているのかな。じっくり調べてみよう。歴史は流布した物語ではあるが、事実ではないからね。
なお、蟹さんは「三国港」ブランドを訴求して成功しつつある様です。お酒の「黒龍」をはじめ、まだまだ楽しく味わえる美味しいものが沢山ありそうだ。毎年一回は福井を訪ねようっと。おっと、新しい親戚を多治見にお招きするのも忘れないようにしないとね。こっちにもそこそこ自慢の種はあるのです。地方、頑張る!
来週は倅夫婦と東京で会食。こんな行き来もまた楽しい。
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