photo by S.Nozaki
暖まるなぁ~、この音と炎の揺らぎ
~薪ストーブに癒される日々~
1月20日大寒。ここから約二週間寒さのピークが続き、そして徐々に水が緩みだす。現在は氷点下の中で果樹園の仕事が始まり、最も気温が高い午後3時に仕事を終える。昼間とは言えこの時間も鼻水が止まらない。気温は5度前後だ。氷点下の時もある。厳しいなぁ~、八ヶ岳南麓は。農業の場は冬眠している様に見えても、実際は様々な作業:田んぼの掘り返し・樹木の誘引と選定・農機具の整備・堆肥撒き・水路の整備・雑草木々の焼却等々が行われている。コツコツと少しずつことを進め静かにジーっと春の準備をしているのだ。
<氷点下の日々が続く>
・これでも例年より暖かいそうです
この冬、自分はサクランボの木の誘引を行っている。朝は手足が痺れるほど冷たく、ホッカイロを入れたり防寒着で工夫したり対策はしているが、なかなか辛いものがある。ただ、自分が行った枝の誘引が今後のサクランボの成長や収穫のし易さなどにダイレクトに跳ね返ってくるので、その時に思いを巡らせながら丁寧に作業を続ける。そして作業終了後に家で薪ストーブに火を入れ冷え切った身体を温めるのがこの時期の日課であり、大きな楽しみだ。
私の世代なら誰しもが幼い日の「焚き火」の思い出を持っているだろう。童謡に謳われている通りの垣根の曲がり角の焚き火、建設現場で廃材をごうごうと燃やしていた焚き火、近所の人がたむろしていたドラム缶焚き火、そんな火に一寸当たらせてもらうふれあいも暖かかった。
<幼い日の冬の思い出は温かい>
・こんな風景は田舎でも少なくなりました
そんな記憶があるので多治見に移り住んで初めて庭を持った時、そこでしばしば焚き火をしていたがご近所様から「洗濯物に匂いが付く」とクレームがあり、焚き火を封印していた。でも、いつかは環境が許せば火を楽しむ暮らしがしたいな~と思っていたので、八ヶ岳に小屋を購入する時は薪ストーブを絶対条件にしていた。薪ストーブの設置にはそこそこの費用が掛かったし、薪代も馬鹿にはならない(石油ストーブの方が圧倒的に安い)が、次の三点がとても気に入っている。
1. 包むような暖かさ:石油ストーブの様な局地的な暖かさではなく熱が全体に浸み込んでいくようだ。また火を消した後も煙突が暖房機能を維持してくれるので夜中もぬくぬくとする
<この揺らぎと音が癒しです>
・なぜか全体が暖まるんですよね~
2. 至高の時間の演出:炎の揺らぎを眺めながらお酒をちびりちびりやっていると身体のガタも忘れるし、記憶の彼方にあった思い出が蘇ってくる。そうした気持ちが緩んだ時こそ意外とアイデアも湧き上がってくる。66歳の肉体も回復する。なお、お酒をキープする場所も設置しました。
<私の個人バー 店名「寿」>
・これからいろいろなお酒を揃えようっと
3. 美味しさをキープ:おでんやポトフなどを作り込んで薪ストーブの上にかけておくと程よく味がしみてきて味わいが増す。それを待つ時間も美味しさを増してくれる
<丁寧に仕込むおでん>
・今日は来客があるので沢山つくります
薪割りや灰の片づけと掃除などの手間もかかるが、だからこそ火を入れるのが楽しいとも言える。そんな日々があと2週間は続きそうだ。初めての八ヶ岳南麓で味わう冬の厳しさは薪ストーブが和らげてくれている。これからもいろいろな生活を創っていくことが楽しみだ。その為にお金は出ていくが、その分人生の財産が積みあがっていく様で嬉しい。
ただ、アル中にだけは気を付けようっと。
コメント