果樹園の手伝いから改めて学んだこと

生活と民俗や風習
<私の働いているサクランボ果樹園>

photo by S.Nozaki

~無理をなくし工夫を取り入れて、続けられる環境を整えること~

1年間の週末八ヶ岳南麓生活をきっかけに、ちょっとした野菜作りを始めた。最初はごく簡単なサラダ菜・トマト。収穫もそこそこ多く、農薬を使わない為か、見かけは悪いがなかなか美味しかった。そしてトウモロコシにもチャレンジしたが、どうやらご近所の鹿さんの大好物だったらしく、全部彼らのおやつになってしまった。その後は大根が豊作、毎週大根の煮物を作っていた。今は大蒜の取入れを待っているところだ。また、長期目線で林檎・栗・桃・ブルーベリーの苗木も植えて、それなりの手入れをすると此処の厳しい冬も乗り越えて、新たな芽や花が吹いてくる春を迎えた。

こんな背景もあって、定年退職を機に始める仕事を果樹園で見つけた。居酒屋のスタッフ・スーパーの販売員・引退した競馬馬の世話等々も調べてみたが、会社生活最後の仕事が地方創生に絡んでいたことがあり、地域活性化にもつながる八ヶ岳南麓らしい「果樹園」をお手伝いさせていただくことに決めた。園主さん、雇っていただきありがとうございます。一番の理由は家から歩いて5分の通勤で、一番ありがたいです!(笑)

なお、果樹は単価が高く、地域の活性化にはとても良い取り組みだそうだ。課題は技術の承継。園主さんはこの承継に腐心されている尊敬できる方だ。

最初の仕事は、サクランボの受粉作業。鳥の刷毛を使って異種花粉を交配させる作業で、半日で1万歩は歩くし、上を向くため首は痛いし、腰を曲げたり、目は陽にさらされるし、結構きつい。メンバーの中で私が最若手であるので体力でカバーしているが、一回りも上の先輩の皆さんは淡々と作業をしている。田舎の方々は元気だな~と思いながら仕事を続けていた。

そんな時、とある方が「野﨑さん、無理な姿勢ややり方だと続かないよ。農業は続けることが大切なんだよね。継続的に手入れしなくちゃいけないものだからね。歩くコースとか場所とか服装とかいろいろ工夫するといいよ。休憩もきちんととってね。続けられるようにすることが大切だよ」とアドバイスしてくれた。『あれ、この感覚どこかでも感じたことあったな~』とふと思った。そう、メーカーの製造ラインで働いていた時だ。歩く距離や体の動きまでも創意工夫する、やりにくいことは改善する、休憩は必ず取る、そしてラインは絶対止めないようにする。

未だ先は長い。続けられる環境を整えていこう。イチローもそんなこと言ってたぞ、確か。

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