photo by S.Nozaki
山々の雪の量が減り始めるこの時期に農家が動き出す
~桜散ると一気に躍動の時~
心身共にかじかみ冷え切っていた八ヶ岳南麓の冬を乗り越えて、満開の桜を眺めながらその心身をゆっくりとほぐした後は、高根町が本格的に動き出す。人々は、流れを止めていた用水路に勢いよく水を送り出し、寒肥を効かせた田んぼの掘り起こし、畦(あぜ)を整える。田植えの準備だ。そして様々な木々の芽が吹き出し、遠目の八ヶ岳連峰、甲斐駒ヶ岳や鳳凰三山の雪は少しずつ消えていく。今年の三月は特に寒かったので、この時期の暖かさや自然の彩には心躍る。本当に有難みを感じる時だ。
<きれいに整えられた畦>
・もう直ぐ田んぼに水が引かれることを知らせる
我が家の庭でも、昨年植えた桃と林檎の木が綺麗な花をつけた、特に林檎の花のけなげな様子は気に入っている。柿の木からも新芽が顔を出し、枯れていたように見えた小ぶりな胡桃の木も必死に命を守ろうとしている。数年すればこれらの実りを味わえるだろう。その時まで大切に育てよう。そしてこれから数か月は雑草と虫との闘いが待っている。スズメバチもやってくる、キツネも鹿も訪れる。彼らと付き合っていくのは大変だが、都会でスマホ歩きの輩を避けながら歩かなければならない日常と比べれば、はるかにストレスフリーだ。
<地味だけど心惹かれる林檎の花>
・美空ひばりの歌にもあったな(皆知らんよね)
私が働く果樹園では、サクランボの受粉が始まった。この後1~2か月は摘芯・摘果と手間をかけて、6月には真っ赤な大きな実を付け収穫やサクランボ狩りが始まる。洋梨畑では摘蕾(てきらい。枝先の蕾を落として実の付きを良くする作業)が終わり、秋から初冬にかけて収穫が行われる。冬の間は作業者が少なく寂しかった果樹園にパートで働く仲間が戻り賑やかになってきた。
<サクランボの受粉作業>
・異種交配が基本。何回か繰り返し受粉を確実にする
昨年は高根町に常住して様々な初めての経験に接して気分が高揚していたため、身体のことも考えずにちょっとやり過ぎた感がある。古傷の頸椎ヘルニアや膝痛がかなり悪化してしまったので、今年の躍動の季節は自分の身体の声を聞きながら自分のペースを組み立てていこうと思う。いわば、ワークライフ&ウエルネスバランスかな。60代後半から70代の過ごし方は先々の老化の分かれ道になると言われるし、自分の周りを見ていてもその通りだと思う。この素晴らしい躍動の季節を、身体の声に耳を傾けながら丁寧に過ごしたいものだ。あのストレスの塊のような会社生活からやっと解放されたのだから、これからは自分で考えた仕事や遊びのペースを作り上げて、人生白秋期をじっくり味わうのだ。まあ、サラリーマン時代決して悪いことばかりではなく、真面目に仕事をしていれば家族の生活を守れたことは心から感謝している。
マイペースで心身を整えようと考えていた中、大変驚くことにふと気が付いた。この春、花粉症の症状が出ないのだ。昨年も「やけに症状が軽いなぁ~」と感じてはいたが、今年は多少目がかゆい時があったくらいで、このスギ花粉多い地で斯様なほぼ無症状の状態を経験し本当に驚いている。ヨーグルトが体質を変えると言われていたので、かれこれ20年くらい毎日欠かさず食べてはいたが、ここにきて急に症状が改善された理由は何なんだろう?
環境や体の変化としては、
①体重が会社員時代の67キロ前後から60キロを割ったこと(随分と汗をかく機会が多い)
②コンビニ弁当を全くやめたこと(冷凍冷蔵商品は食べている。美味しいのだ)
③お酒の量が増えたこと(地元の飲み友達の影響大)
④ストレスはかなり軽減されたこと(ただしこれまでと異質のストレスはある)
⑤ジョギングを止めて散歩に切り替えたこと、等があるが、これで花粉症が良くなるかな?
<私の名前と同じ漢字の栃木の銘酒「松の寿」>
・結局これが一番健康にいいのかも
まあ、あちこちガタが来ている身体なので残された人生、身体に良さそうなことはいろいろとやってみよう。そうそう、週一で「尾白の湯」に通いだしてからは脂漏性皮膚炎が劇的によくなった。また、記憶力の衰えに抗うため、英単語の復習も始めたがどうなる事やら。野﨑君の老いへの抵抗も今年から本格的に始まったのであります。
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