photo by Dual Life
皆様、とても楽しかったです。有難うございました!
~北杜市内における環境の違いに驚く~
私が働く岩原果樹園が忙しくなりかけた5月中旬、地元の仲間と白州の石空川渓谷を訪れた。この仲間と言うのは、当地の家を購入する際にお世話になった不動産屋「デュアルライフ」繋がりである。この「デュアルライフ」の代表黒田さんはきめ細かくオーナーの面倒を見てくれて、時折こうしたイベントを開催してくれるので地元を知り溶け込むいい機会になっている。有難いことです。今回はちょっと足を伸ばして白州まで出かけた。
白州と言えば、多くの方が想起するのは「水(南アルプスの天然水)」「サントリー醸造所」ではなかろうか。私の住む高根町からは釜無川を挟んだ向こう側の高原が白州だ。八ヶ岳南麓に対し、甲斐駒ヶ岳東麓と言った地域となる。お互いが臨める位置にあり素敵な景観を提供し合っているが、今回歩いてみてそれぞれの地域の小さな特徴にも触れることが出来て大変興味深かった。
甲斐駒ヶ岳や鳳凰三山に登ると山肌が白いことに気付く。海底から隆起した花崗岩だ。これらが風化し崩れて各川に流れだし白っぽい河床を作り出す。これが「白州」の名の由来だ。私の非常に拙い(申し訳ございません)YouTubeを見ていただくとその感じが分かるかと思います。
一方、高根町、八ヶ岳南麓は溶岩(安山岩)。あちこちに大きな黒茶の岩が見つかる。大昔、富士山の女神と八ヶ岳の男神が、お互いに樋を通して水がどちらに流れるかにより高さ比べをした時、水は富士山に流れだし八ヶ岳の方が高いと判明。悔しくて怒り出した富士山の女神が大きな棒で八ヶ岳を叩いて粉々にして今の姿になったとか。その残骸で高根町は出来ているのでしょう。大昔から女性は強く怖かったらしい。
また、白州は檜が目立った。痩せた土壌でも育つ針葉樹だ。私の故郷、岐阜の木曽地方も痩せた土壌で檜が有名だ。高根町は赤松・カラマツ。白州は猿、高根町は鹿、白州はヒル、高根町はダニ。温泉質にもそれぞれの特徴がある。同じ北杜市の中で不思議なコントラストを持つ地域だと思う。そしてどちらも素晴らしい。
今回のハイキングは、おそらく一人ではなかなか行けない所だったと思う。地元のガイドさんが案内してくださったので安心な上に興味深い話も聞けた。その一つが、歩いているとふと見逃しそうなアブラチャンの木だ。実が食用にも灯りとする油にもなる。丁度その実がなっている時期だったので、実際手に取り潰して匂いも嗅いでみた。それは樟脳みたいな香りがしたが、普段はとても気が付かない体験だ。また、クルミがやたらと落ちていたが、綺麗に割って食べるのがリス、穴を開けて食い散らかすのがネズミだそうだ。こういう地元密着のプチ知識は大変面白い!
<アブラチャンの木 葉と実>
・教えてもらわないと全く分からない
今回、一つ残念に思ったのは砂防ダムの存在。それは鉄砲水や洪水を防ぎ、人間の生活にとても大きなメリットをもたらすが、魚影を少なくしてしまう負の効果もあるらしいとのことだ。私の住む高根町では毎年各川に数千匹の岩魚の稚魚が放流されるが、一度も魚影を見たことがない。各川とも上流には砂防ダムが建設されている。これにより、川底が攪乱されなくなり(要は流れが穏やかになり)産卵場所や隠れ場所が少なくなる、魚が移動できなくなる、ミネラル成分が流れて行かなくなる、等が理由だそうだ。
<石空川の清らかな流れ>
・今晩何を飲もうか考えている
砂防ダムが出来て魚影が少なくなっても支流にはまだまだ岩魚さんもいるだろうし、渓谷の綺麗な流れは保たれているから有難いが、北杜市の太陽光パネルによる景観の損傷はもう手遅れになっているのが残念。これからどうすんでしょうかね?
何はともあれ、石空川渓谷を堪能して高根町に戻ってまいりました。
果樹園の先輩が「定年後は、今日用(きょうよう)と今日行く(きょういく)が大切!」と言ってましたが、今日も楽しい用事と行くところがあって感謝です。有難うございました。
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