別荘の終活

生活と民俗や風習
<散歩道沿いにある別荘らしき空き家>

photo by S.Nozaki

三年間、人を見かけたことがない

 

~周りを眺めて思う将来の問題~

実家のある多治見の団地で空き家が目立ち始めて久しいが、名古屋のベッドタウンでもあるためそれらは少しずつ埋まっていく。それでも差し引きで空き家が増加しているのは確かだ。ここ北杜市の状況は大変厳しく、歩けば太陽光パネルと空き家にぶつかる。何しろ山梨県は空き家比率が2割を超え、全国ワーストスリーに入る。北杜市は県の中でもひどい方であろう。

<これまた散歩道沿いの空き家>
・これは廃屋と言うべきかな

photo by S.Nozaki

私は、持ち主はいても使われていない別荘も含まれた話なのだろうなぁ~と何となく思っていたが、この空き家の定義は「賃貸や売却用、別荘等二次利用を除いた使用目的のない家」とのことだ。そうすると別荘族が使っていない家は空き家に分類されないわけだ。我が家の周辺がまさしくそうだ。こうした実質的な空き家も加えると、北杜市はかなり悲惨な状態ではないだろうか。例えば、私の別荘族自治会「萩ノ里」は8戸中、私を含む3戸が常住者あり、残り5戸が別荘用途となっている。その1戸は月に2~3回週末に渓流釣りに遊びに来ているが他の4戸はほとんど人が来ている気配がない。まあ、それでも自治会費と地下水道代はお支払いいただいているが。

困るのが、生い茂っている雑草や伸び切った樹木。年に1回、業者さんが来られて処理をされている家も一戸だけあるが、他は野放図状態である。自治会長をやっている手前、管理をお願いするが何だかんだと理由を述べられて事態はあまり良くならない。高齢でもう来るのが億劫、子供に一任しているが子供はあまり関心がない、年金生活に入ってゆとりがない等々、いろいろ事情はあるだろう。此処だけでなく、管理別荘地内を散歩していても、草木に侵食されている家々を見て、どこも同じような状況だろうと思う。今後も、未使用別荘の問題は続くだろう。

<夏は草木が大きく浸食>
・週一の草刈りではおいつかない

photo by S.Nozaki

夏に1,2回別荘に来るくらいの頻度だと、草木が生い茂り先ず手入れが面倒になる。スズメバチなどが巣を作る。キツツキが穴を開ける。動物が家庭菜園を食い散らかす。そして、来るのが面倒になる。「未使用別荘」悪循環の始まりだ。最悪は別荘が朽ち果ててただ残っているだけの状態になる。これから別荘を考えている方には、「別荘の終活」を良く考えられることをお勧めする。

<隣家の立派なスズメバチの巣>
・我が家にもハチ君が営巣の下見に頻繁に訪れていた

photo by S.Nozaki

 

具体的には、
1. 再販可能なレベルの物件にする。
・私の場合は、築7年の物件を購入した。薪ストーブを設置する時も再販を考慮した位置にした
・仮に10年ここで暮らした後でも十分再販可能だと思うし、それを念頭に手入れもしている

2. 使用頻度を具体的に見込む。
・私はほぼ常住で、月に2回程度多治見に帰るだけなので、いろんな点に目が届く
・渓流釣りに来ている近所の方は、大体月2~3回 別荘に滞在だが、手入れは十分に出来ている
・テレワークは丁度良い頻度を作り出せそうな気がする
・年に1,2回程度ならホテルで十分だ

3. 周辺の空き具合を確認する
・私の場合、周辺4戸が不在のため気楽ではあるが、生い茂った雑草や樹木に閉口している
(この点、ちょっと事前調査が甘かったかな)
・近所の方には剪定などのお願いはしているし、私道や地下水をくみ上げるポンプ小屋周辺は自分で整備している。まあ草木との戦いは田舎の宿命ですな。
・なお、空き家になっていても緊急連絡先は管理会社・自治会などを通じて分かるようにしておく
(昨年、野焼きの火が空き別荘に燃え移って全焼する火事があった)

折角、素敵な別荘を手に入れても、空き家がなれの果てでは大変もったいない。日本の空き家にカウントされない隠れた「空き家」にさせないためにも、「別荘の終活」も自分の終活の一部と思って対処した方が良い。此処に住んでみての強い実感だ。

因みに、北杜市では別荘の中古物件が大変品薄と聞いているが、売りに出さず(出せず?)にただ所有している別荘族が多いってことだろうか?周辺を見渡すとあながち外れてないと思ってしまう。我が家は高く売れるだろうか(笑)?

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