冬が始まるよ~♪

自然(山水緑・動物)
<初冬の夜 ワイン会でのブリしゃぶ>

photo by M.Baba

☆飲み過ぎの夜もあります

南麓の秋は短い。場所によってはあっという間に紅葉が進むため日々の仕事に流されている人は楽しむ時期を逸してしまいそうになるが、気楽な定年退職の身分である自分はたっぷりと味わうことが出来る。そして夜は一杯やって寝てしまう。健康に良さそうでもあり悪そうでもある生活だ。まあ、これからの平均余命14年、好きにやらせてもらいます。

昨年は美し森の紅葉狩りのタイミングを逸してしまったので、晴れ渡ったとある日、雲が沸いてくる前に出かけた。この近辺は熊の目撃情報がしばしば流れてくるが、歩道がしっかりして人の気配が沁み込んでいるから大丈夫だろう。此処から見る八ヶ岳南麓の紅葉は巨大な絨毯が敷き詰められていく様で圧巻である。早朝、展望台に一人佇んでいると、大きな秋の中に自分の存在が溶け込んで無くなってしまいそうな錯覚を持つ。白秋期にいる男がブナやダケカンバの紅葉に囲まれる姿はなかなか絵になる、と少し思う。

<八ヶ岳中腹の紅葉の絨毯>
・青空とのコントラストが鮮烈だ

photo by S.Nozaki

遠くからチリーンと鈴の音が聞こえて来た。天女山方面からのハイカーだ。挨拶をかわし少し立ち話をする。「この時期、この時間、順光の八ヶ岳が良いですねぇ」「冬も此処に来ますよ。風が強くて雪が飛ばされてしまいますが、運が良ければ樹氷が見れますよ」「熊は未だ見たこと無いですね」持っているカメラや装備を見るとベテランハイカーの様だ。お互い自分の時間は邪魔しないと言う暗黙裡の了解の中、短いやり取りで別れる。こんな距離感がこの歳には心地よい。

人気スポットの一つ、八ヶ岳高原大橋にも足を運んだ。此処は駐車場に車を止めて橋の歩道を歩けば、八ヶ岳から川俣川に下りてくる紅葉、南アルプスの峰々、山腹に突き刺さったような大橋、そして富士山と360度の絶景が望める。いわゆるインスタ映えのする絵が撮れる。この日も自撮りに夢中になっている老若男女を数多く見かけた。一方、此処は自殺スポットとしても有名である。欄干に花束が置かれていたり、靴だけが置かれていたり、命を絶った余韻を見かけた話を聞く。そして、霊らしきものの目撃談も。気持ちが弱まっている時にはいかない方が良いでしょうな。

<大橋まで下りて来た紅葉>
・この辺りは熊さんもいますよ~

photo by S.Nozaki

<高原大橋沿いに望む南アルプス>
・大自然に突き刺さる人工的な美しさだ

photo by S.Nozaki

八ヶ岳ブルーをバックにした紅葉の絨毯が広がるこの時期、生活面では本格的な冬支度開始だ。薪と灯油を調達し、タイヤを交換し、隙間風対策をする。今年は窓の断熱シートも準備した。特にお風呂場は窓からの冷気がなかなか厳しいのだ。季節をまさに肌で受け止める南麓生活である。私の場合、薪ストーブを中心に生活が回っていく。焚き付け用薪の準備、灰の除去・掃除、ストーブの手入れ等面倒なことはあるが、焚いている最中は優しい温かさに包まれ至福の時が流れる。ポトフを温めワイン片手に考え事をし、思い出に浸ったりしていると、昔描いていた夢が此処にあることを感じる。そうなんですよね、小さな夢だけど実現してるんですよね。冬が始まるこの時期、そわそわするのはこのためだ。

<ラック満タンになった冬の相棒>
・3週間は持つかな?

photo by S.Nozaki

 

そしてついつい飲み過ぎてしまう。身体に悪いとは思うのだが、至福の時と健康を天秤にかけるのは止めよう。身体が辛くなれば自ずと節制するだろうしね、多分。

紅葉を満喫したこの日、知り合いのラーメン屋さんでブリしゃぶをつつきながらのワイン会があった。幸せだなぁ~。

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