雨上がりの高根町

人生雑感
<雨上がりの高根町>

photo by S.Nozaki

~素朴な墨絵の様な風景~

日照時間が長いことで知られている(?)八ヶ岳南麓ではあるが、やはり山のふもとであるため天候は変わりやすく、また雨も多い。だからこそ八ヶ岳や南アルプスの伏流水が極めて豊富であり、そして美味しい。天然水の出荷量は北杜市が日本一である。また、サントリーが北杜市白州でシングルモルトウイスキーを蒸留しているし、市内には日本酒の醸造所(「七賢」が有名かな?)も多い。水が豊富で美味しいからこその有難い恵みである。ちなみに、我が家一帯の自治体は皆井戸水である。

そんな北杜市の雨上がりの風景はなかなか心に染み入るものがある。八ヶ岳ブルーが最高の風景写真とすれば、雨上がりのここ高根町から見る山々の眺めはまるで墨絵の様だ。
朝から雨で外に出られず音楽でも聴きながら(こういう時は「キース・ジャレット」が最高!)時間をつぶし、いつの間にか小ぶりになった頃、傘を片手に散歩に出かけるとハッとするような光景に出会う。天気が悪いのは誰のせいでもなく、皆同じようにちょっとした我慢をして過ごさなくてはならない。でもその後には、誰にでもちょっとしたご褒美がある。それが雨上がりの光景。

そんな時ふと、雨に関する格言?(どなたか有名人が言ってた言葉かもしれない)を思い出す。
「止まない雨はない」
「土砂降りの後に綺麗な虹が見える」(No Rain, No Rainbow.)
「雨はひとりだけに降りそそぐわけではない」

誰もが経験する、多忙な日々を乗り越えた時・辛い人間関係を修復出来た後・病気やケガを乗り越えて復帰した日等々の心のささくれ。自分だけが何でこんなに苦労するのか!と自暴自棄になりそうな時もあった若かりし頃の傲慢な自分ではあったが、人生も坂を下り始めると、そんなことは全くの驕りであり、人生で取るに足りないことであったと改めて気づかせてくれる雨後の風景であります。

人生下り坂でも「雨後の竹の子」になるのだけはやめようっと。

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