人生で最も強烈だった夏が終わろうとしている

生活と民俗や風習
<岩原果樹園の仲間 社長を囲んで>

photo by M.Takami

まだまだ沢山いらっしゃいますよ、15歳から80歳まで

 

~岩原果樹園では秋に向けた準備が始まっている~

今年の夏は会社に入って最も汗をかいた夏であった。思い起こせば高校二年の夏、山岳部・バスケット部・自転車同好会の三連続合宿を乗り切った時の凄まじい汗の量とその臭さが忘れられないが、今年の夏も強烈であった。歳を考え無理をしない様には留意したが、鳥のさえずりと蜩(ひぐらし)の鳴き声に起こされ、峻烈な八ヶ岳と南アルプスの風景が目と心に突き刺さってくると自然と身体が動いた。そして、もちろん仕事後のビールが最高の夏でもあった。

<老木の伐採作業>
・この後の抜根作業がまた大変!でも将来への種まき!

photo by S.Nozaki

最も忙しかったのは、6月一杯と7月中旬までのサクランボのピークシーズンだ。それが過ぎると新たな苗木を植えるために老木を伐採・伐根し、肥料をまき、施設の手入れをし、秋の梨収穫への準備へと入る。そして、その先を見据えて新たな果実の仕込みを行う。こうした一連の作業が次から次へと入ってくる。自分はパートの身分だから正社員さんに任せれば良いのだが、どうしてもそうした流れが知りたくなる。そして仕事をしてしまう。サラリーマンの性が抜けない。

<白州の広大な果樹園候補地>
・ここを一人で測量し肥料をまく区分けを行う。知恵がいるのよ、農業は

photo by S.Nozaki

でも、15歳から80歳までの方々が働く職場は刺激がある。自分が15歳の時に何をしていたかな?そして80歳になったら何をしているだろうか?そんな振り返りと想像をするだけでも楽しい。仕事は何でもある。今日は白州の一万平米の農地の区画を一人でやり切った。此処はいずれ桃と梨畑になる予定だ。自分が80歳になる頃にはたわわな実がなっていることだろう。

<雲の形も夏から秋への様相>
・用水の流れはいつ何時も絶えることがない。冬は凍りますけど

photo by S.Nozaki

白州の空は夏から秋への模様替えの様だった。そして、此処高根町も。真夏の爆発するような入道雲から少し遠慮がちの入道様だ。それでも真昼の眩い陽の下では涼しげな農業用水が気持ちいい。どんなに晴天が続いてもこの用水の流れは止まることがない。山梨がフルーツ王国と呼ばれる一つの理由だと思う。今日も、この用水からくみ上げた冷たい水を林檎畑に撒いてきた。生き返るような息吹を木々から感じる。自分も猛烈に噴き出していた汗がスーッと引き、生き返った。

<透き通る流れ>
・長靴を履いていても冷ややかで気持ちが良い!

photo by S.Nozaki

晩夏とは言え熱中症の注意が広報無線で流れる日の夕方、秋が近づいてくるのを山々のシルエットで感じる。夏は終わるが、果樹園では次への準備に余念がなく、次の果実を求めて仕事に終わりはない。自分は定年退職したが、今までサラリーマンの延長では得らない実りを求めたい。周りにとても素敵な仲間がいる。そんな中で今まで味わったことのない果実を得られれば、こんな有難いことはない。そして思うのは自分も周りの人の実りに少しでも役に立てれば良いなと。

<夕暮れが近づく南アルプス>
・雲さんも少し落ち着いてきた様に見える

photo by S.Nozaki

さて、とりあえず晩酌を始めるか。もうすぐ熱燗が美味しい季節になるなぁ~。

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