photo by S.Nozaki
「遠くとも一度は参れ善光寺 救い給うぞ阿弥陀の祈願」
~仕事ではなく自然体で全国を巡ってみよう~
前職の仕事柄、県庁所在地は徳島市・福島市・長野市以外はすべて出張で訪ねた。高根町に拠点を構えて是非近々足を運びたかったのが此処長野市だ。学生時代は山登りに明け暮れていたので松本では何度も下車したことはあるが、何となく長野は縁がなかった。牛に引かれたわけではないが8月の終わりにぶらりと長野の善光寺参りの小さな旅に出た。
<懐かしい松本電鉄のホーム>
・44年前の自分の誕生日、此処から穂高に向かったことを思い出す
往路は長坂から長野まで各駅停車の旅。途中、昔足繫く通った松本では松本電鉄のホームにも降り立ち、とても懐かしく感じた。松本からの篠ノ井線の旅は人生初めてだ。山間を走る電車から車窓は代わり映えしないなぁ~と感じていたが、「姨捨」駅に到着すると素晴らしい景色が広がっていた。これだけでも今回小さな旅に出た価値があると思う。俗に「日本三大車窓」の一つだそうだが、あながち誇張でもなく、いつまでも眺めていたい気持ちになった。まだまだ日本には私の知らない素晴らしい場所があるのだと改めて認識した。
<姨捨(おばすて)駅からの眺め>
・これ、日本か?まるでジブリの世界だよ
<長野駅!>
・流石、県庁所在地!でも精算でSuicaが使えないのは・・・
約3時間のローカル列車の旅の後、長野駅に着いた。びっくり都会じゃん!(長野市民の皆さんごめんなさいね)イメージで松本には親近感があったし、実際何回も訪れていたので、長野は地形的にも観光の対象としても何かカーテンの向こうに在る様な気がしていた。降り立つと松本に負けてないじゃん!との身勝手な印象であった。善光寺までの参道も老若男女が楽しめる工夫がされており、特に食欲をそそるお店が多い。イメージが変わった!
<もくもく大香炉>
・一族郎党の健康と虫刺されが早く治ることを祈願しました
大香炉にお線香を投入し、いろいろ祈願。果樹園の仕事中に虫に刺されて膨れ上がった左手を煙にかざして治癒もお願いした(ここ数日痛くて堪らんのです。スズメバチかな)。本堂も拝観しての帰路、参道を散策してみると食べ物のお店が多いのにびっくり。こりゃ~まるで谷中銀座じゃん!お焼き・ジェラート・ラスク・ソフトクリーム・アップルパイ・・・なんでもござれ。そもそも昔からお参りに来られた庶民の楽しみはこうした食べ物であったと聞く。それはそれで素晴らしい文化だと思う。そして見つけました「ビール冷えてます」の看板。早速頂きました。仏さまは酒飲みにも寛大なのは大変有難いことです。感謝!
<参道と言うよりグルメ街道>
・谷中銀座に負けない魅力たっぷりの散策が出来ます
<お焼きとビール>
・有難い、有難い。生き返ります
長野のグルメを楽しんだ翌日は、犀川まで足を伸ばしてみた。この川は穂高・槍ヶ岳を源流とし、上高地辺りでは「あずさ川」と呼ばれる。特急あずさの源流でもある。それが途中名を変え千曲川と合流し、新潟に入り信濃川となり日本海にそそぐ。此処では未だ中流域だがとても雄大で河川敷に積もった大小の岩石が北アルプスから流れ出ていることを物語っている。大きな川だ。流域の植生は豊かで木陰で休んだ時の風が心地よかった。
<北アルプスからの急流 犀川(さいがわ)>
・河川敷は市民の憩いの場となっている
<木陰の休息>
・本当に気持ちいい!
<寺町弁当とビール。定番です>
・これはやめられないですよね~
小さな旅の帰路は特急「しなの」の中で寺町弁当とビール(恐縮です)を楽しんだ。素敵な旅だったが、此処も例の太陽光パネルが散見されて複雑な気持ちだった。地元の方々が賛成して設置したのだから、一人の観光客がとやかく言う資格はないが、こうした光景が広がらないことを祈るし、広がる前にこれまで知らなかった日本を回りたいと強く思う。そして日本人は賢いはずだと信じている。
<散見される太陽光パネル>
・本当に必要なのだろうか?電気自動車みたいにならなきゃいいけど・・・
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