さあ、収穫の秋です

生活と民俗や風習
<早々と稲の刈り取り作業が始まった高根町>

photo by S.Nozaki

台風の被害もなくきれいに整列した稲は美しい

 

~町のあらゆる所に実りが~

本当に暑かった夏。未だ残暑は続いているが朝晩は随分と過ごしやすくなった。稲の刈り入れはそろそろかなと思いつつ散歩をしていると、やや標高の低いところでは早々とコンバインが活躍していた。この時期は、「実るほど 首を垂れる 稲穂かな」をしみじみと思い出すが、最近の稲さんは頭を垂れ過ぎではないかな?人間界と同様、へりくだりすぎて「頭を垂れさせていただいています」って遠慮しているみたい(笑)。雨風に耐えて実をつけてくれたんだからもう少し胸張っていいよ。

<しっかりと実を付けた稲穂>
・この半年、本当に頑張ったね。美味しい北杜米だ

photo by S.Nozaki

夏、緑の絨毯の様相だった水田は少しづつ黄金色に変わっている。富士山をバックにした棚田の景色は、特に朝夕が美しく、時の流れの悠久を感じる。鬱陶しいことを抱えていても(会社員時代は此処高根町に週一通う度に、仕事で面倒事があった)、「長い人生では大したことじゃないさ。一歩一歩進めば必ず実るさ」と心が軽くなる。しみじみ思うのは、農業って歩みを止めないことだ。何があっても必ず半歩でも進む。作業を止めない、でも無理をしない、協力し合う、知恵を出す、そして実りを目指す。昔、会社員時代に仕事で苦しんでいた時、とある先輩が「ゴールのないマラソンはない」と言われて「続ける勇気」を貰ったことがあるが、農業からはそうした粘りの心を強く感じる。

<富士山と緑の絨毯>
・何年も変わらない光景。大事にしたいね

photo by S.Nozaki

農家の人達の絶え間ない作業が美味しい実りへ繋がっていることに加え、驚くのは農業用水が全く枯れないことだ。晴天の日が続いても勢いは変わらない。八ヶ岳・南アルプスとも伏流水の豊富なことで有名だ。先日、白州の農地(放置されていてほぼ原野状態)で測量する機会があったが、そんな場所でも農業用水はとうとうと流れ出ている。だから、日照時間が長いこの地域、農業が発展しなかったわけがない。最近、技術承継が課題にはなってはいるが。

<流れ続ける農業用水>
・なお、真冬はガチガチに凍ってます

photo by S.Nozaki

私の働く果樹園では、西洋ナシの収穫が始まった。トウモロコシはまだまだ最盛期だ。柿はあらゆる場所で実をつけている。栗も同様。林檎ももう直ぐだ。時折、クルミも落ちている。そして散歩していると、刈って乾燥した雑草の野焼きの匂いが漂う。あっという間に秋が深まるだろう。

<トウモロコシ、栗、梨、柿、林檎>
・我が家にも柿、梅、クルミ、林檎、桃、ブルーベリーを植えました。3年後が楽しみ

photo by S.Nozaki

2023年4月から、八ヶ岳南麓と多治見でデュアルライフを始めて5か月。長男の結婚、地元の人との付き合い、働き口の確保、パソコンの勉強、ブログの作成、全職場仲間との交流・・・いろいろあったが、今後どんな実りがあるのかな。歩みを止めず、「悠々と急ぐ」ような、そんな生活にしたいな。

なお、先週、近所の神社で鹿さんと遭遇しました。私以上にびっくりされておりましたが、今後ともよろしくお付き合いをお願いいたします。きっと、今年我が家の大根を食い散らかした鹿さんだと思われます。彼も秋の実りを楽しみにしていることでしょう。

コメント