薪ストーブの火のある暮らしが始まる

生活と民俗や風習
<パチパチと音も暖かい薪ストーブ>

photo by S.Nozaki

暖かさに「包まれる」感じが何とも心地よい

 

~八ヶ岳初冠雪。八つ下ろしで芯まで冷える日々を楽しく~

11月11日、大学時代に所属していたクラブの創設50周年OBOG総会に出席した。自分は8期生、いつの間にか「昭和世代」と呼ばれるようになっている。若い世代と話をすることに躊躇する気持ちもあるが、まさしく同じ釜の飯を食った同期やお世話になった先輩、一緒に辛い山行をやり切った後輩との交流を楽しんだ。卒業して30数年ぶりにお互いの近況を知ることも出来たし、昔の秘蔵写真にも出会えて「あの当時」を懐かしくも切なく思い返した。次はどんな気持ちで皆と会えるかな。OBOG会の副会長を仰せつかったので総会が還暦を迎えるくらいまでは元気でいたいものだ。

<OBOG総会で展示されていた写真 中央が自分>
・難関の奥穂~西穂間のジャンダルムを前にこの先のコースをチェック

東京から八ヶ岳南麓に帰ると特有の冷え込みが身に沁みてきた。気温は未だ氷点下にはなっていないが、風(地元では八ヶ岳おろし、八つおろしと言うらしい)が強く冷たい。見上げれば八ヶ岳に初冠雪だ。昼でも手がかじかむわけだ。今日は農作業で白州まで赴いたが、ここは「八つおろし」を上回る「駒(ヶ岳)おろし」が吹く。そして周りに遮るものがない。甲斐駒ヶ岳も雪化粧をしている。気が付けばもう冬。

<主峰 赤岳の初冠雪>
・これから八つおろしの季節だ

photo by S.Nozaki

<南アルプスも うっすら雪景色>
・ぽつりと柿のみが残っているのがちょっと寂しいね

photo by S.Nozaki

昨年の冬は、未だ東京から週一回通っていたが、今期は真冬も常住。何を好き好んでこんな寒いところに住むのと言う方もおられるが、それはそれで冬の楽しみもある。薪ストーブのぬくもりだ。揺らめく炎を見ながらウイスキーをちびりちびりと考え事をするのも良し、残り火で焼き芋を楽しむのも良し、鍋物を温めてゆっくり食べるのも良し、火のある暮らしはいろいろな楽しみが創り出せる。我が家は天井まで薪ストーブの煙突を伸ばしたので、それが暖房となってロフトがとても暖かい。断熱性に優れたウッドハウスは火が消えても朝まで熱を保ってくれるので、何となく「包まれた」感じがして気持ちよく眠れる。この感じが火のある暮らしの良さだろう。

<ロフトを突き抜ける煙突>
・これが良い暖房になる。洗濯物も乾く

photo by S.Nozaki

薪を燃焼させると赤外線が放出されて、それが床や壁などの木に吸収されて熱が溜まる。これを輻射と呼ぶのだそうだ。「包まれた」感じはこの作用のお蔭なんでしょうね。おまけに部屋全体に熱の対流が発生するから柔らかい暖かさが生まれる。石油ストーブとは明らかに違うことが体感できる。

薪の手配や灰の処理、そしてストーブへの空気の取入れ調整等面倒な点もありますが、それは薪ストーブの面白さの一つと考えればいろいろと知恵も湧いてくる。当初は空気の取入れが上手くいかず途中で火が消えてしまうこともしばしばあったが、今は細い薪の準備から焚き付けまでを小さなイベントとして楽しんでいる。コツも分かってきた。芋を入れるタイミングもね。

ちなみに、このお気に入りの薪ストーブは、デンマーク製の「ワム クラシック4」と言う北欧での普及版的なもの。ちょっと高価ではあったが、地震や火の扱いに関する安全性は抜群で家全体の資産の一部として考えていいと思う。八ヶ岳の別荘は、避暑を念頭に作られているものが多く、冬への備えがちょっと弱い。そもそも氷点下10度を下回るところで冬を過ごす別荘族はいないだろう。ただ、近年はリモートワーク普及のちょっと前から二拠点居住が広がりつつあり、かつ移住の人達も増加している。夏だけでなく冬も快適に過ごせる住居が人気になっているし資産価値も今後上がっていくだろう。薪ストーブも資産価値向上に一役買ってくれるかなぁと下心が芽生えてしまう(笑)。(この点はDUAL-LIFEの黒田さんの動画ご参照)

自分にとっての問題は、「包まれた」心地良さからついつい飲み過ぎてしまうことかな。昨シーズンは薪ストーブに当たりながら寝入ってしまったことも何回かある。酒量も増える。こればかりはどうしようもなさそうだが、身体が飲みたいと言えば飲むし、肝臓が疲れてそうだなと思えば休む。自然体で行きますかね。

明日は、会社時代の後輩が訪ねてくれて薪ストーブを囲んで飲み会です。今日は散歩だけにして休肝しておこう。

<近所の黄色の絨毯>
・休肝日の散歩道

photo by S.Nozaki

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