photo by S.Nozaki
今回の戻り路は木曽の御岳山の麓まで19号線で北上した
~権兵衛峠道路ドライビングはなかなか楽しいぞ~
<権兵衛峠道路 YouTube より>
・木曽と伊那を結ぶ知る人ぞ知るルート
実家のある多治見から八ヶ岳のログハウスまで戻る時は中央高速を使っているが、年末まで中津川~園原間の工事により大変不便をして辟易としている。一時間以上の渋滞、登坂車線を使ってどんどんと割込みするトラックとそれに小判鮫の様についていく乗用車、工事をしているのかしていないのか意味不明な表示等、ストレスも大きい。下路を行くにしても木曾谷側(岐阜)と伊那谷側(長野)を結ぶ快適な道はなく、仕方なく中央高速を使っていたが、とある方から「権兵衛峠経由で良い道が出来てるよ」と教えてもらった。ちょっと遠回りにはなるが、ドライブを楽しみがてらそのルートを使ってみた。時間はそこそこかかるがなかなか楽しかった。
多治見から中津川までは概ね順調な車の流れだがその先がストレスの塊なため、今月は中津川で降りて19号線を木曽川沿いに南木曽、木曽福島へと遡上し宮ノ越の先から「権兵衛峠道路」に入り伊那へ抜けるルートをとった。中津川を過ぎると19号線は片側一車線の田舎道となるが交通量も少なく極めて快適なドライブだ。登りは名古屋ナンバーのトラック、下りは松本ナンバーのトラックが目立ち、地味ながら物流の要となっていることが分かる。木曽川の流れが作り出した景観も素晴らしい。煽るようなドライバーもおらずお互い気を使いながら車を流している感じが心地よい。数年前、多治見から南木曽まで歩いたことがあった(今考えるとよくそんなことが出来たと思う)ので、「あっ、あの時のあの場所だ、店だ」と言う場所にも遭遇して大変懐かしかった。
<19号線と並んで流れる木曽川の谷>
・寝覚めの床、南木曾、木曽福島と名所が続く
宮ノ越のちょっと先から木曽山脈に食い込んでいく「権兵衛峠道路」への分岐がある。木曽谷と伊那谷を結ぶ貴重な生活かつ産業道路だ。名前の由来は牛方行司をしていた古畑権兵衛さんが米を運ぶ道を切り開いたことに由来する。この権兵衛さんは大変な力持ちで大食漢だったことが日本昔話で語られている。木曽谷と伊那谷の間には木曽山脈、いわゆる中央アルプスが連なっており双方を行き来するには、昔は塩尻経由のルートしかなかったようだ。もっとも山道を行けばその限りではないが物流量には限りがある。日本は7割が山林なのでこうした交通事情を抱えたところで道を開いた人が当地で語り継がれていることが大変多い。権兵衛さんもその一人だ。
<昔話にも残る権兵衛さんの開いた道に由来するルート>
・伊那谷川に出ればすぐに中央高速に乗れる便利さ
<日本昔話 権兵衛峠>
・地元の言い伝えとちょっと違うみたいですが・・・
今や、権兵衛峠道路で木曾側から伊那谷に抜けるのに僅か30分弱だ。この日はあいにく霧雨であったが、道路は快適な流れ、側道は終わりかけた紅葉の景色、そして山脈を抜けると眼下に伊那谷が広がり、遠回りしたことも忘れさせる心地よさであった。天竜川が作り上げた伊那谷、木曽川が同じように作り上げた木曽谷を結んでくれた権兵衛さん。日本の昔話に思いをはせるドライビングであった。
<権兵衛峠道路から稲谷側へ出たところ>
・あいにくの天気ではあったが天竜川の作った伊那谷の広がりは絶景
冬は厳しい環境だろう。雪解けの頃に今度は反対側からドライブしてみたいものだ。
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