真冬の141号線ドライブ 松原湖へ

小さな旅
<松原湖の凍結とワカサギ釣りの人々>

photo by S.Nozaki

地味な観光地が141号線沿いに存在してます

 

☆中部横断道路必要だと思う

諏訪湖が結氷し「御神渡り」が見られたのは2018年が最後。今年も未だ結氷は見られていない。一度は見てみたいものだが、あれだけ大きな湖なので全面が凍るにはマイナス10度以下の寒気が数日必要なのだそうだ。相手は自然現象。まあ仕方がない。気長に待とう。

湖が氷結することで知られている地味な場所として野辺山の先に周囲4キロ程度の小さな「松原湖」がある。我が高根町の小屋からは車で1時間弱。小雪がちらつく日、ブラリと出かけてみた。清里を越えて141号線を小諸方面へドライブするのは初めてなので楽しみであったが、道が凸凹なこと(野辺山辺りまではまあまあ良い)・トラック往来が多いこと・どの車もかなりスピードを出していること・集落の中でも道幅が狭いこと・急カーブが多いこと等によりかなり気を使った。

<野辺山から先の141号線の風景>
・トラックが多く道は傷んでいる。道幅も狭い

photo by S.Nozaki

トラックには長野ナンバーだけでなく、群馬ナンバーも目立つ。甲府や静岡から群馬には東京を経由すれば全て高速道路でつながるが、距離的にはかなり遠回りになる。この141号は裏街道みたいな存在なのだろう。そこで思い出したのが「中部横断道路」だ。現在、静岡から中央高速を経て長坂まで繋がっているが、長坂~八千穂間が未開通でいろいろ揉めている様だ。建設反対ののぼりがところどころに立っている。ただルートはほぼ確定している。完成すれば長野・群馬への交通が大変便利になるし、高根町にも141号に繋がるインターチェンジが出来る計画なので有難い。

まあ、反対賛成いろいろあるだろうが、141号線を走りながら、「こりゃ、積雪や大雨などがあったら物流止まるわな。それをカバーするには東京経由迂回となり大変だ。各集落は孤立するな」と感じた。観光客が多い高根と清里の間でさえしばしば雨で通行止めになる現状だ。点在する地方都市の生活を維持するインフラ、特に地方都市間を結ぶ道路網整備が絶対必要だと思う。現在の141号線だけでは頼りないと思わざるを得ない。そんな思いを巡らせながら、無事松原湖に到着。一部を除いて結氷していた。氷上にはワカサギ釣りをしているテントが数枚出ていたが、地上は私だけ。駐車場も私のハスラーだけだった。真冬の平日にこんな寒いところに来る人いない。

昔は此処も全面結氷してスケートのメッカでもあったそうだ。今、スケートしたら落ちて凍死。遊歩道を散策したが、寒くて散策どころではない。やはり、真冬はいかん。でも、釣りは楽しそうだな。氷に大きなドリルで穴を開けてワカサギ釣りを楽しんだ後、テントの中でてんぷらにして一杯、なんてことをやっているのかな?そんな風物詩「氷上テント」はここ松原湖でちらほら見かけるだけになってしまった様だ。まあ、次は春に来てみよう。そして最も松原湖が美しいと言われる紅葉の季節にもぶらり旅をしてみよう。

<松原湖の遊歩道>
・まあ、この寒さ、私しかいませんよね

photo by S.Nozaki

そんなぶらり旅が出来るのも道があってこそ。141号線がしっかり整備されていれば、安定した物流が確保出来て地方の生活維持にも役立つだろうし、こうした地方の地味な観光地にいつでも安全に安心して訪れることが出来る様になる。しかしながら141号線を走ってみると基盤が脆弱なのが良くわかるし、パッチワーク的な補修や拡張にも限界があるだろう。もう一本並行した高速道路があると安心・安全だよなぁ。太陽光パネルは要らないから早く中央横断道路が完成することを願う。19号線・20号線と中央高速みたいな関係が全国に網の目の様に張れると国家も地方も強靭になるだろう。

問題は環境アセスメントと採算性、地域振興への貢献度か。実際、この地域周辺に住んでいる人はどう思っているのだろう。「等しく貧しくなろう」と言いつつ、東京のタワマンと八ヶ岳南麓の別荘でデュアルライフを提唱していた東大の教授の様な方ではなく、現地で生活をしている方々の意見が重要ですね。ところでこのカラフルな髪の毛の方、長坂のオギノで買い物しているのを見かけて、ちょっと親近感を持ちました。

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