青春 朱夏 白秋 玄冬

人生雑感
<五木寛之さんの「白秋期」>

photo by S.Nozaki

これからを考えるに当たり示唆に富むとても良い本で

 

~いろいろガタがきているが自分に合ったペースで人生黄金期を満喫するぞ~

若い頃にそこそこ身体を鍛えていたお蔭で、この歳になってもそこそこ四肢が動く。自分の世代にとってはこの「そこそこ動けること」が健康の落とし穴になる時がある。ちょっとした無理も利くので「自分に合った加減」を通り越してしまうことが多々ある。特に今年の夏は果樹園の仕事が面白く、かつ汗をかく爽快さとその後のビールの美味さにつられて結構無理をしてしまったせいか、10月頃から右膝が腫れて痛み出し、夜中に目が覚めることもしばしばであった。昔から過激に運動をする傾向があったので、膝の調子はあまり良くなかったが、状態はかつてない程に悪化し曲がらなくなってしまった。これまでにない違和感があったため地元の整形外科で見てもらったところ、大量の水が溜まっていた。結局55CCの水を抜き、ヒアルロン酸を注入する治療を始めたところだ。未だ腫れているのでもう一回くらいは水を抜くことになるだろう。更に、悪いことに昔患った頸椎ヘルニアのしびれも左手に出始めている。

<芋虫ではありません。私の右膝です>
・66年間曲げ伸ばしお疲れ様です。これからもよろしくね

photo by S.Nozaki

そんな自分を見つめていて、五木寛之さんが人生を「青春、朱夏、白秋、玄冬」に分けて、私の世代(50代から70代後半の25年間くらい)を白秋と言う「人生の黄金期・収穫期」として紹介していたことを思い出した。これまで様々な束縛やしがらみがあったものの、この時期は「縁あってこの世に生まれ落ちた命を何よりも大切にし、感謝する」人生の時と言うようなことを彼は述べていた。会社員時代の自分だったら、多少の身体のガタは無理を通してきたが、今は労わる気持ち、五木さんの言われる考えが濃くなってきている。まだまだ人生の収穫がこれからだとの思いが自然と湧いてきているのだろう。

自分の過去を五木さんのお話に当てはめてみると、「青春」期はその名の通り、心身ともに燃えたぎり無理もして突き進む。会社生活では役職に就く一歩手前の自分だ。「朱夏」期は少し分別も出てきて周りを眺めるゆとりも持ち始める。結婚し子供を授かり、会社では責任あるポジションについて「出来ないことはない」などと鼻息が荒かった時か。でも、失敗を繰り返しながら、助けてくれた人の優しさが身に沁み、かつ人に優しくなれる気持ち・感謝を忘れない日常を大切にするようになった。また、同世代の仲間のそれぞれの道がはっきりと見え始めた退職前辺りが白秋期の入り口だったような気がする。そして、自分は退職し、八ヶ岳南麓と多治見のデュアルライフを始め、果樹園の仕事の面白さを毎日満喫している。そんな矢先、膝を痛めヘルニアの痺れが再発し『命を大切にし感謝する』五木さんの言葉を思い出したわけだ。果樹園で働くことを、とある先輩に告げた時「おまえは昔から身体以上の無理をしてしまうきらいがあるから生活には気をつけろ。折角の新しい生活だからな」と忠告してくれたことがある。お酒や運動、働き方まで私のことを熟知している先輩だったので言われる意味は良く理解できた。「白秋」期に入ることはこう言うことでもあるのだろう。しかし、楽しさ故どうも気持ちが走り過ぎていた様だ。折角、ゆとりある生活環境を手に入れたのだから、それにあった白秋期のペースを作っていこうと思う。ただのんびりするのではなく「加減の良いペース」を作り上げることだ。今は果樹園を休んで治療に専念している。
「白秋」期を出来るだけ長く続けられれば幸せだろうな。その為には以前立てた人生の三つの方針:
1. 身体を使う:当面は果樹園で働く。ギターを再開し指を使う
2. 頭を使う:SNSでの発信を継続する
3. お金も使う:小さな旅をする
これらをコツコツと長く楽しんでいこう。そして気が付けば「玄冬」期に入り違った心境にもなるだろう。

<「白秋」期を絵にするとこんな感じかな>
・きれいな夕暮れがず~っと続いているような・・・

photo by S.Nozaki

いずれも健康な身体があってこそだ。この歳になれば、あちこちガタがくるのは致し方ない。若い頃は無理を通しても過ごせていたが、今は肉体的にもそして精神的にもきつくなってきた。だからこそ、先達の知恵やこれまでの経験も活かしながらそこを上手くどうにか治めて行きたいものだ。思い返してみると、幼少期は身体が弱くガリガリだった。かかりつけの医者からは「この子は20歳までは気を付けないといけないよ」と注意されていたとおふくろが言ってたことも思い出す。それもあってか、中学に入ると親父からは「水泳部に入れ!」と強要され(きっと水泳が健康に一倍良いと誰かに洗脳されていたのだろう)、やりたかった剣道とテニスは諦めた。ただ、水泳を始めて1年ほどで身体は丈夫になり風邪もひかなくなった。背も伸び、以降、自分でも悲しくなるくらい丈夫になってしまった。この点は感謝している。だからこそ、今、「白秋」期は身体も大切にし、人生の収穫を楽しみたいと思う。

<ひ弱でガリガリな頃の自分 多摩川にて>
・よくぞここまで生きてきたものだ。感謝!

photo by I.Nozaki

晩酌もちょっと控えめにするか。しないと思うけど。(笑)

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