photo by S.Nozaki
不格好ででかい。でも上品な味わい
~和梨と桃の良いところを楽しめる洋梨のラインナップ~
フルーツ王国山梨と言えば、葡萄と桃が知られている。甲府盆地から勝沼までの葡萄と桃の果樹が一面に広がる景色は壮観そのものだ。そんな環境の中で我が「岩原果樹園」では主力のサクランボの次に洋梨を育成している。洋梨と言えば、不格好なひょうたん型で食べ方にも工夫がいるので身近に感じにくい方が多いのではないかと思う。私もそうだった、一週間前までは。
<子供の頃から馴染み深い「長十郎」梨
・秋と言えばこれ!
自分の働いている果樹園で栽培しているものは食べてみないことには始まらない。これもサラリーマン時代に叩き込まれた「現地現物」の一環、と言うか、兎に角、洋梨を食べてみたかった。自分は梨の栽培が盛んな川崎で生まれて育った。そこでは「長十郎梨」が梨であった。瑞々しくシャリシャリしていて秋の定番の果物だった。初めて包丁で皮を剥ける様になったのも「長十郎」さんのおかげだ。梨と言えば「長十郎」だろうと故郷への誇りを片隅にいざ洋梨「オーロラ」を賞味してみた。
<芯の少ないオーロラの果肉>
・隅々まで楽しめます!
美味い!梨の瑞々しさと桃のトロトロ感がぴったりマッチした味わいだ。予め「オーロラ」を送っておいた妻からは「梨と桃のいいとこ取りだね」との評があった。なかなか上手いこと言う。数人の知り合いにも送ったので感想を聞くのが本当に楽しみだ。
こんなに美味しい洋梨なのにあまり知られていない、食されていないのは何故か、あれこれ聞いて考えてみた。おそらく次の様なことが言えそうだ。
① 形が不格好で皮が向きにくい→これはどうしようもないが、ピーラーで剥いて食せば概念が一変するだろう
② 食べるには品種毎にポイントがある。それが伝わっていない→生産者側の努力不足。これからだ!
③ やや高価である→上記①②を通じて消費者にも十分理解してもらえると思う
こうした価値を分かり易くタイムリーに消費者に訴求していく。そんな努力を続けていけば必ずや日本の消費者も和梨と同様に洋梨も楽しんでもらえると思う。
<農家は大変!今年も有難うございます>
・でも生産者って皆大変なんだよ
食べ物を粗末にしてはいけないと、両親から叩き込まれてきた我が世代は、どんなものでも感謝していただくことが当たり前となっているが、もっと美味しいものを楽しむことがあってもいいと思う。お米だって果物だって、そして車だって生産者が努力して良いものを作ってこそ社会が潤う。その点、農業は「食べ物を粗末にしない」と言う昔からの固定概念に凝り固まっているような・・・、そして補助金に頼りきっているような。いやもう言うまい。
「食べ物は粗末にせず、そして選んで楽しむもの」と平成・令和と人々の思いはすっかり変わっているんだよね。
話はそれますが、金融リテラシーに乏しい(いわゆる情弱)と将来お金に困りますよと、金融機関があの手この手で若者から中高年までを投資の世界に誘っていますが、今まで金持ちしか相手にしていなかった手数料商売を棚に上げてとんでもないことだと思う。本来なら、情弱な人達から真っ先に手を指し伸ばすべきではなかったのではないかな。
農業も畜産業も、食料を扱う生産者側も「お金を持っていて分かってくれる人だけが買ってくれればいいや」とは思っていないと信じます。
岩原果樹園では、来年は桃、その次は葡萄が出荷予定です。一生懸命作っているから消費者が当然買ってくれる、と言う考えではなく、しっかり良さを伝えて分かってもらって購入していただけるように、パート身ながらも心を込めたいと思う今日この頃です。そんな日を思い描きながら今日も農作業に精を出して、一杯汗をかきました。そして、今一杯やってるところです。(笑)
<この美味しさ。多くの人に伝えたいですね>
・今年は9人の知り合いに送りました!
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