photo by S.Nozaki
☆上手なお酒を飲めるようになったかなぁ~
多治見に帰る楽しみの一つが居酒屋巡りだ。再開発に伴い「串カツ田中屋」と「鳥貴族」が駅前に店を構え、周辺にも新たな店が進出してきている。人口が若干減少する中、こんなに乱立して大丈夫なのか心配になる。やはり暫くするとお店が入れ替わっていることも多く、飲食店は経営が大変なことが分かる。そんな中、私が36年前に引っ越してきた時から続いている店もある。何度もそれらの店に通ってきたが、地味ながら気に入っているお店が土岐川沿いのやきとり「だいき」だ。
とある日、土岐川の土手を散歩していると何とも香ばしい匂いが煙と共に流れて来た。誘われるままにその店先まで辿り着くと赤提灯が何とも言えず懐かしい。中を覗くと常連さんらしき人達で一杯。ちょっと駅前の店とは様相が違う。想像だが、配送を終えたトラック運転手、近くの焼き窯で働いていそうな鉢巻をした爺さん、現場仕事を終えた作業員等と言った雰囲気だ。入るのを躊躇ったが、酒飲みの好奇心が勝り暖簾をくぐった。じろりと視線が飛んでくるかと思いきや、皆自分なりにお酒を楽しんでおり新参者に目をくれる様子もない。カウンターに案内され瓶ビールから始めた。やはりキリンラガーだ。大びん680円。
<定番 ドテ煮とキリンビール>
・今時灰皿が置いてある店は多治見では此処くらいだろう

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座敷テーブルもあり、そこでは数人のグループがワイワイやっている。カウンターは静かに上手なお酒を飲む常連さんの席らしい。こういう状況は結構緊張する。ビールが来ると、手早く摘まめる冷奴と白菜づけを注文し、一息ついた。メニューは各種焼き鳥の他、ドテ煮・めざし・串カツ・ポテサラ・イカ焼き・メンチカツ等々。これこそ地元で働く人達のメニューだな。後で聞いた話だが、周辺にある焼き窯や工場の労働者が仕事帰りに一杯やって帰る場所だったようだ。家族経営のため値段は手頃、おやっさんは優しく、その奥さんと娘さんらしき女性はテキパキとして気持ちが良い。新参者には気を使ってくれているのが分かる。味は普通だが、居酒屋としての店全体の味わいはなかなか捨て難いのである。いつまでも残って欲しい店だ。
その味わいを醸してくれる要素の一つが馴染み客の飲み方だ。先日、妻と飲んでいると仕事帰りらしい若い衆が一人で入店してきた。直ぐにビールと焼き鳥・串カツを数本注文し、一息つくと熱燗に切り替えてじっくり味わった後、ささ~っと勘定を済ませて出て行った。此処に来る度にこうした飲み方をするお客さんに遭遇する。だらだら長居をしない。混んでくるとさっと引き上げる。くだをまかない。仕事帰りの衆が等しく楽しく飲む場所であるとの思いが昔から継がれて来たのだろう。
ただ、19:00を過ぎると若干騒がしくなるので、17:00の開店から2時間ぐらいが一人飲みには最も心地よい。カウンターに座り、河島英五の「時代おくれ」のフレーズ『・・・妻には涙を見せないで、子供に愚痴を聞かせずに、男の嘆きはほろ酔いで、酒場の隅に置いて行く・・・』を思い浮かべながら一杯やっていると、自分も少しは上手なお酒を飲めるようになったなと思えてくる。人に迷惑をかけず、自分自身を落ち込ませず、さっと気分転換をして明日に備える。古希が近づいてきた今、やっとこ「時代おくれ」の男になりつつあるような気がする。でもちょっと遅かったかな。
<土岐川の夕暮れ時>
・このくらいの時間にほろ酔いで店を出るのが丁度よい

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高根町にも「だいき」の様なお店があると嬉しいのだが、車で生活する町なので仕事帰りに立ち寄る様な居酒屋はない(今のところ見つけていない)が、最近月一のペースで通っているのが箕輪交差点北にある「魚竹鮨」だ。お決まりはカウンターに座り先ず生ビールと海鮮丼を注文。生で喉を潤しながらゆっくりと待つ。大体飲み終わった頃に具沢山の海鮮丼が出てくる。新鮮かつボリューム満点なのでそれを肴にしながら熱燗二合を楽しむ。その間約30分。得難い至福の時ですな。ただ、家から徒歩30分なのでちょっとした覚悟を持って通っております。山梨は人口当たりの鮨店数が日本一だそうですが(二位:石川、三位:東京)、何故でしょうかねえ?
<お気に入り 魚竹鮨の「海鮮丼」>
・あちこち食べ歩いて見つけたお店です

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他にも良いお店は沢山あるが、「心粋」は徒歩1時間半、「藤乃家」は1時間、「和信」は50分、覚悟だけではなく体力と気力が必要だ。それに家に着く頃には酔いが醒めてしまう。最近は代行さんが次々と店を閉めているから不便になりました。まあ、南麓では家飲みを充実させることにいたします。
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