photo by S.Nozaki
~農業の楽しさと奥深さを体験~
6月10日から岩原果樹園のサクランボ収穫が始まり、今(6月中下旬)が最盛期を迎えている。自分は農作業の他、事務も担当しているのでお客様からの電話を取ることが多いので、多くの方がこの時期を待ち望んでいることを実感する。「あまりに美味しいので追加注文したいの」「お友達のところには(さくらんぼの)宅配が届いたんだけど、うちは未だなの?」「どうしても明日の9時に欲しいのだけどなんとかなる?」等々、本当に有難い言葉をお聞きすることが多く、パートの身ながら仕事の励みになる。中には、「配送が遅い!」などのクレームを頂くこともあるが待ち望んでいただいている証でもある。しかし、いかにも『私は客だ』と高飛車的物言いの方もいるので閉口することもある。まあ仕方ないか。
<思わず顔がほころぶ収穫 赤い宝石>
微力ながらのパートでのお手伝いながら、自分でかかわってきた実りを収穫する嬉しさは格別なものだ。これまで食べたことのあるサクランボは、スーパーで買ったものばかりであったが、此処まで宝石の様にきれいな実がなるとは。収穫している時は時間の経つのを忘れて夢中になってしまう。そしてそれらが店頭に並び、お客様が購入される様子を見ていると、農業の楽しさが染みわたるようだ。手間と工夫、知恵も絞り、美味しいものを提供出来る醍醐味かな。
<岩原農園主 数々の賞を受賞している>
大学の農学部ではそれなりの知識を学び、再現性の高い農作業を実践できるのであろうが、実際の現場では別にマニュアルがあるわけでもなく先輩から教えてもらってノウハウを身につけていく。例えば、①受粉は上から(考えてみれば当然だが)収穫は下から、②もぎ取りは枝と平行に、③一つの花に実は3~4つまで、等々、素人ながらいろいろ教えてもらって納得することしきりであった。まだまだ奥深いものがあるのだろうから、園主からもいろいろ教えてもらおうと思う。
サラリーマン時代は、引き継ぎ書が仕事を承継するネタであったが(何も引き継がない輩も多い!)、農業は目の前で教えてもらえるダイナミズムがとても魅力的だ。四の五の言わずにやってみると、良かろうが悪かろうが結果がいずれ見えてくる。そんな経験をもう少ししてみようと思う。技術承継ってそういうことなんだろうな。
子供の頃、近所には兄貴的存在がいて様々な遊びを教えてくれたものだが、パートの仲間にもそんな存在感ある人がいる。良いものだ。遊び承継(かもめかもめ、押しくらまんじゅう、はじめの一歩など)は消え去ったが、農業には引き継がれる道が残っているように思う。
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