ほのかに香る我が里のヤマユリ

自然(山水緑・動物)
<大輪の花を咲かせた小径脇のヤマユリ>

photo by S.Nozaki

☆これから南麓は一気に盛夏へ

7月10日前後、我が家がある別荘地の里では柔らかく優しい香りがほんのりと漂い始める。ヤマユリの開花だ。初めて此処に来て見かけた3年前は小さな一つの群生だったが、年々数が増えている。前自治会長さんが支柱を立てたり、「大切に」と札を下げたりして世話をしてきた結果だろう。数年もすると人里からここまで登ってくる小径が「ヤマユリの径」となっているかも知れない。楽しみだ。

<ヤマユリ咲く所この札あり>
・前会長さんが毎年整備している

photo by S.Nozaki

ご近所にもいくつかヤマユリが咲いているスポットがある。いずれも木陰や陽当たりが少ない涼しげで目立たぬ場所に咲いているため、真っ白な大きな一輪・一輪が控えめで奥ゆかしい。花言葉が、純粋・無垢・威厳なのも頷ける。そしてこの種は日本固有種だ。「ヤマユリが咲きます。大切にしましょう」等の小さな表示や縄で囲まれていることをしばしば見かけるのは、日本人にはヤマユリを大切にする心が自然と備わっているからなのだろう。控えめで奥ゆかしく、大輪の花を付ける割には茎が細い弱々しいイメージがあるので守ってあげたくなるんですよね。百合子知事も緑から白にイメージチェンジすれば良いのにね。

中学の頃かな、男女二人のグループ、ダ・カーポが「やまゆり」と言う曲を歌っていた。そのフレーズのどこかに、指輪代わりにやまゆりの花を持って嫁ぐ場面があり、女性の静かな決意を感じ取ったものだ。今思えば花言葉を具現した一節だったんだなぁ。はしだのりひことクライマックスの「花嫁」には、故郷に咲いていた野菊の花が花嫁衣裳の代わりとのフレーズがあり、同じような感覚を持ったものだ、女性は可憐だけど強いと。道端のヤマユリを眺めてそんなことを思い出した。ちなみに野菊の花言葉は、「清爽」「長寿と幸福」「忘れられない思い」「守護」だそうです。

時期をほぼ同じくして、近くの西川のほとりにはオニユリが咲き出す。少し小ぶりで香りもないが、強烈なオレンジの花びらが映える。一本一本がピンと独立して咲き誇り、控えめなヤマユリと対照的だ。花言葉は、陽気・華麗・富等、成程ね。彼女らは神社や寺の境内などにも広範囲に咲き誇り、おしゃべりしている陽気な娘さん達みたいですなぁ。ジジイはそこには入り込めない。やっぱヤマユリが良い。

<西川沿いのオニユリの群生>
・緑の中に映える花々が絵になります

photo by S.Nozaki

ヤマユリ、オニユリが花びらを落とし始めると、あちこちでヒマワリが大きな花を開きだす。南麓の夏本番である。この歳になっても夏の思い出づくりは楽しく心の栄養になる。もう直ぐ会社の同期がやって来る。8月は賑やかな姪っ子一家が襲来だ。そして9月はサンフランシスコへ長男夫婦を訪ねる旅。沢山夏の思い出を残そう!

<明野をバックにした近所のヒマワリ>
・花ことばは「光輝」「憧れ」「情熱」です

photo by S.Nozaki

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