陽が昇るのが待ち遠しい!

生活と民俗や風習
<厳しい冬の日 待ち遠しい日の出>

Photo by S.Nozaki

陽を浴びると気持ちも身体も温まる

 

~陽は冬の農作業のまさしく太陽~

冷え込んできた。果樹園の仕事は7:00開始が基本(もっとも何時でもOKと融通は利くのがパートの良いところ)。霜が降り、時には上空は晴れていても八つ下ろしがみぞれを運んでくる。足元と指先はジンジンと痺れ作業も辛い。ホッカイロを長靴と手袋に忍ばせコツコツと来年の収穫に向けて準備をこなしていく。かじかんでなかなかはかどらないが、この時期の準備がなければ良い実りには繋がらない。遅くともじっくりと丁寧に進める。「寒肥を効かせる」と言う言葉があるように厳しい冬の仕込みは春になれば芽が出る。人生も一緒ですな。でも、なかなか辛い一日のスタートだ。

<11月 葉に積もったみぞれ>
・カサカサと葉に当たる音が一層寒さを助長する

Photo by S.Nozaki

8:00頃、陽が果樹園の中を照らし始める。ふわっと周辺が眩しくなると同時に全身に暖かさを感じるようになる。これぞ太陽の恵みだ。身体の動きも良くなり作業ははかどる。大昔から人間は太陽と共に活動を開始していたことを改めて認識する。鳥もさえずりはじめ、周りが何となくざわめきだす。太陽に感謝する本格的な一日の始まりだ。

<陽ざしが差し込み始めたサクランボ園>
・これぞ太陽の恵み!作業もはかどる

Phito by S.Nozaki

現在、主にやっている作業は、サクランボの枝の誘引だ。木の成長と共に枝はあちこちに好き勝手に伸びていくが、それぞれの木々の陽当たりの確保、収穫のし易さ、成長の促進、等々を考えて枝の形を整えていく。いわば「来年の収穫」に向けての誘引だ。80歳の先輩に指導を受けて始めたが、もちろんマニュアルがあるわけではない。「木が育ちやすい様に考えて形を作り上げていく」との教えを受けて自分なりに解釈して作業を進める。当初は訳が分からなかったが、これはセンスの問題だと割り切って最低限の指示を守りながら自分の納得する形を作り上げる様に腐心している。収穫は今年の初夏に経験しているので、そのし易さは現実的に考えられる。形が良いと陽当たりも良さそうに仕上がっていることも分かった。
子供も好き勝手に育てていると大変なことになるが、サクランボも心を込めて誘引してあげると逞しく育つだろう。

<誘引作業中のいつになく真剣な野﨑君>
・高所作業も伴うので慎重に丁寧に

Photo bu M.Yamaguchi

<誘引を終えたサクランボの木>
・一応私の作品であります。心を込めました

Photo by S.Nozaki

他にも冬の作業は、肥料と堆肥(牛の糞を発酵させたもの)撒き、苗木の植え込みと支え、等々がある。まあ、養生してあげるということだ。我が家の柿は昨年実を付けなかったが、冬にそれなりの手入れをしたら今秋は恵みをいただけた。その実で作った干し柿は思いのほか美味かった。人間も同じ生き物、しっかり養生しないとね。最近の自分は、膝に水が溜まり、古傷の頸椎ヘルニアも再び頭をもたげてきているから、サクランボだけでなく自身も養生しないとね。と言うことで明日は、倅の奥さんのご両親のいる福井にカニを食べに行ってきます。

<白州 開墾中の桃畑での堆肥撒き作業>
・白州は風が強いが陽が出ているとほっこり暖かい

Photo bu K.Yasuda

これからドンドン冷え込みが厳しくなる八ヶ岳南麓。だからこそ太陽がもっとも有難い季節だ。明日も晴れてね。

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