デュアルライフを通じた気づきの楽しさ

人生雑感
<駅前のプラザとタワマン>

photo by S.Nozaki

~久しぶりに多治見に帰る。それぞれの良さを再認識~

4月にデュアルライフを始めたものの、岐阜県の県議会議員選挙時に帰った切り、ずーっと八ヶ岳南麓高根町で過ごした。サクランボ果樹園の仕事を覚えるのに休みのない日々が続いたが、地元の仲間が増えてとても心強く感じるデュアルライフのスタートであった。そのサクランボの収穫も山を越え、多治見にちょっとした役所仕事と歯の定期チェックがあったのを機に、7月10~12日と久しぶりに多治見に帰った。

多治見に建売住宅を購入したのはバブルが弾ける直前。会社の仲間は愛知県内にマンションや一戸建てを求めていたが、自分は、名古屋市内は金額的にとても手が出ないことや田舎っぽいところへのぼんやりとした憧れもあって、お手頃な多治見に落ち着いた。当時の多治見市の人口は11万人。駅舎は暗く場末感が漂ってはいたが、多治見駅周辺の寂れかけた商店街を覗き歩くのは逆に新鮮で楽しかった。引っ越し手続きをした市役所の人はとても親切だったし、「あれ、役所の人ってこんなに優しかったかな?」とこれまた既成概念が改められた(地方公務員の皆さんごめんなさいね)。名古屋のベッドタウンとしてまずまず人気があるため、現在も人口は安定して11万人をキープしているし、そんな中で駅前がびっくりするほど再開発されている。

 

<再開発前の多治見駅>
平凡な地方都市の駅でした

photo by S.Nozaki

 

昨年、駅前プラザと駅直結のタワマンがオープンした。特にこのタワマンは上階の方は億ションにも関わらずあっという間に完売したそうだ。市役所が駅前に移転したり、ビオトープを模した広場が作られ週末となるとイベントが開催されたり、地元女子をテーマにしたアニメが作られたり、まあ賑やかな演出が続いておりました。多治見に住民税を納めている身としては「良し!良し!」とほくそ笑んではいたが、今回の久しぶりの多治見滞在でこうした再開発に若干の違和感を持った。

先ず、駅前プラザのテナントは空きが多く、人気も少ない。タワマンは早々と売りに出されている部屋もある。取り壊す前の旧駅ビルは貧弱でぼろかったけど、一つ一つのお店に活気があったし、買い物は箱庭の中を散歩するようで楽しかった。現在は、身の丈以上の器を作ってしまい、使いあぐねている感が否めない。いつも行っていた地元の床屋さんは「テナント料がね~、地元のお店はついていけないんじゃないですか」とつぶやかれていた。

一方、昔ながらの場末感が残る商店街は粘り腰で頑張っている。多治見に入植(笑)した時に見つけた、老夫婦が営む、王道を行く地方都市のラーメン屋「鳥竹」は未だに健在。このご夫婦は随分お年を召したが(人のことは言えないが)、元気に店を切り盛りしている。昼時に訪れたら満席だった。昔ながらのアイスクリームと大判焼き屋、陶器関係の人が集う焼き鳥屋、そして多治見市民自慢の鰻屋(人口当たりの鰻屋の数は日本一だとか)。ちなみに、東京単身赴任時代、多治見に帰る度に、この鳥竹で中華そば(メニューにはそう書いてあります。650円)を肴にキリンラガー大瓶をグイっとやって、ほろ酔いで土岐川沿いを歩くのが心の健康に大いに役立った。
今の駅前プラザはそうはいかないな~、ちょっと敷居が・・・。

 

人気はないが粘る“昔ながらの商店街”
一角にお気に入りのラーメン屋「鳥竹」があります

photo by S.Nozaki

 

<お気に入りメニュー>
ドライじゃないよ、キリンラガーだよ

photo by S.Nozaki

 

久しぶりだからこそ、変わりゆく多治見が見えるし、逆に変わらない多治見も感じることが出来る。これまで生涯22回の引っ越しを経験してお気に入りとなった「八ヶ岳南麓高根町」と「多治見」、デュアルライフだからこそ見出せる楽しみを大いに満喫しようと思う。

今日(7月12日)、八ヶ岳に戻ったら、大きなヤマユリの花とその清らかな香りが迎えてくれた。そして、長男の奥さんの実家(福井)からは「黒龍 しずく」が届いた。ひたすら感謝、感謝です。

 

<大きなヤマユリの花>
香りが素晴らしい!

photo by S.Nozaki

 

<福井から届いた「黒龍しずく」>
指先まで染み渡る美味しさです!
この香りもこれまた最高!

photo by S.Nozaki

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